グラフィックはPS4最高峰。細かな環境変化も評価の高い2を思わせる出来。
移動シーンではロープやハーケンの登場により、ジャンプボタン連発の過去作よりメリハリが生まれています。
また、特定のチャプターではフィールドが一気に広くなって探索のしがいがあります。
……ありますが、これまでのアンチャのゲームデザインを踏襲しつつ広いフィールドが導入されたので、そこで何かが大きく変わるわけではありません。広いフィールドの中でもやることは（収集物探索）いつもと同じ。
初見は確かにワクワクするけど、遊ぶ要素が収集物のみしかないことに気付くと、出来がいいだけに勿体ない感がある。
あと、広いが故に上限の低い移動速度も気になってくる。
開発元側でも広いフィールドはテンポを悪くしてしまうことを気にしてるので、今回はノーティの技術デモとして受け取っています。

戦闘は相変わらず癖の無いTPS。ただし戦場は高低差がありステルスが強化されたので、戦略性が生まれました。敵に見つかっても立て直せるのは大事。
しかし、終盤のステルスできないガチ戦闘では、戦場が立体的すぎて死角からの攻撃が多い、突破口が作れず身動き取れないところに絶え間なくグレネード飛んでくるなどキツイ場所も（難易度上級）。
個人的にステルス武器が無くなったのは残念。まぁステルス強化されたから無双の危険性があるのは解る。

話としては海賊王の宝を追うのが本筋ですが、兄弟や夫婦の話にもスポットが当たってるせいか、お宝探しに没入しきれない感あり。
絶妙な難易度の謎ときに、目まぐるしく変わるロケーションは素晴らしいのですが、「ここが○○だー！」→不意な場面で兄弟や夫婦の話で我に返る。
また、理想と現実に苦悩するネイトもストーリーの一要素で、これらの話が解決含めて終盤に集中します。
その為、いよいよお宝に迫ってるという場面で熱が上がりきらない感は否めず。シナリオ自体はまとまってるんですけどね。

そしてラスボス戦……QTE風の格闘戦。得意じゃないとは言えここだけ難易度跳ねあがってません？　リトライ連発でストレスがﾏｯﾊ。
この難易度と面倒くささは2のラスボス戦を思い出す。あれは簡単な攻略があったけど。
視覚的な演出とコントローラの操作割り当てが直感的じゃないっていのは私個人の言い訳かしら。
実際、ボタンの押し間違いをどうしてもしちゃうんですよね。
ラスボス戦のおかげでトロフィーの為に通しでもう1周遊ぶ気がなくなったのは正直なところです。難易度上げると更に面倒らしいし……

個人的に気になった細かい部分はあるけれど、ノーティドッグ渾身の一作であることが十分伝わる完成度です。
グラフィックや映画的演出については本当に素晴らしいものがあるので、映画的ゲームを語る上で外せない一作であることは間違い無し。