Mafia3クリアしたので感想。
▼クリックで展開
ストーリーはマフィアに親しい人を全て殺され、自身も一度死に掛けたことからマフィアに復讐を誓うという流れ。
この過程で利益をちらつかせて3人の仲間を引き入れ、各地の敵マフィアを潰して仲間に地区を与えるギスギスした会合を重ねていきます。
末端から徐々に偉い奴を殺していくわけですが、正直、幹部以外の登場人物は殆ど記憶に残らないし、残るほど重要な奴でもない。どっちみち殺すし。
仲間も全編ずっとギスギスしてるし、助力はしてくれるけど本人が出向いてくるわけじゃないので、本当に利益だけの関係。
そういう意味ではやや胡散臭いながらも最後まで主人公を支えたドノヴァンは、エンドロールの幕間も含めて主人公よりも輝いてるかもしれない。
個人的にはMafia2の主人公、ヴィト・スカレッタの現在とジョーのその後が分かるだけで3が前作に対する救済を与えたのは評価。
本作はMafiaシリーズだけど、主人公はマフィアに対抗する上で疑似的なファミリーを作るアンチマフィア的なものなので、マフィアとしてロールプレイしたい方は肩透かしをくらいます。
まぁそもそも戦う、車乗る、ドア壊す、ステルス行動・トロフィー絡まない収集以外にできることはないけど……
仲間に地区を与えても、仲間からの助力がアンロックされるだけで、街やNPCに何も変化起こらないからなぁ。
開発側は主人公を黒人にして、あえて黒人差別の強い時代を描いたとしてますが、個人的にはそれをもっと強く突きつける場面が多くても良いと思いました。
ゲーム内に黒人立入禁止の店があったり、カットシーンで差別する場面もあるけど、まだ遠慮があるというか。
例えばNPCの白人と黒人が街中でそういう振る舞いをしてれば、没入感が増したかもしれない。
作中で黒人をいたぶってる相手は全てミッション上の始末対象になってるから、『ただの敵』であって共感できない。
ただ、作中に何度も挿入される黒人神父の独白パートは情感豊かで心揺さぶられます。これがプレイシーンでも体験できればなぁ。
操作部分はTPS。カバーアクションや移動はクセがなく仕上げられててストレスなく動かせます。
そうはいっても主人公の体力は低めなので、多数を相手にするとすぐやられます。
なので基本はステルス→口笛で敵一体ずつ呼びこんでキルの繰り返しになりがち。
あとアップグレードでマシになるけど、車はオフロードだと一気に挙動悪くなるし、線路ごときの段差で車が吹っ飛ぶのは非常にストレス。
まぁ過去シリーズは給油が必要だったり、ハンドリングがより現実的だったりしてるかららしいと言えばらしいけど、同世代のゲームと比較すると辛い部分があったのは事実。
今作一番の問題がほぼ全編に渡っての作業感あるプレイ部分。
地区ごとの敵を弱体化させる為に数分掛けて移動→敵の拠点で戦闘・破壊行為→数分掛けて移動……の繰り返し。
ひたすらひたすら似たことの反復が、体感でゲームの7~8割を占めてる。
ファストトラベルもないのに道中何も起こらないドライブは苦痛で、仲間の収益を上げさせようとすると更に遠出させられる。
おまけに最終盤でもなければ大体敵のちょっかいが入って移動中に銃撃戦→警察も敵なので反撃しなくても指名手配状態→ミッション失敗率上昇。
前述の主人公の体力の低さ+アイテムによる回復制により、戦闘が長く頻発するほどジリ貧になるので戦闘だけ楽しむわけにもいかない。
もちろんマフィアがGTAなどのクライムものと異なるゲームデザインなのは理解してますが、戦闘と移動の繰り返しで肝心のストーリーすら弛ませるのはいただけない。
仲間から受けられるサイドミッションもひたすら同じことの繰り返しで、ストーリーを忘れるくらい同じ内容ばかり遊ばせてくれるよ!
発売前のレビューでこの辺りは把握してましたが、シナリオは評価されてたので期待してたんですが……似たようなことやってる間に細かい部分を忘れる。
同じく凡庸なTPSでありながらシナリオ評価の高い『SPEC OPS:The Line』は、レールシューターだったから話を追えてたんだなぁと本作を終えて別方向の評価。
今からMafia3をやるなら、仲間のサイドミッションは置き去りでメインミッションだけ進めた方が没入感を保てると思います。もちろんトロフィーや実績は置き去りですが。
ということでP5再開した。2周目で取れる範囲のトロフィー取って来月のDishonored2に備えます。