ステルスFPSの新規IPとして登場したのが前世代機。その続編が現行機で登場しました。
今作までのスパンがあったのが納得できるレベルで、色んな部分でクオリティアップしていました。

開発が目指した油絵っぽいグラフィックは、前作ではテクスチャの汚さを感じさせましたが、今作ではしっかりその点を改善。
ダンウォールから南のカルナカに舞台を変えたステージは色彩も豊かで前作より広くなりました。
思わぬ抜け道も多くなり、高所の移動範囲が広くなったことで潜入ルートの自由度も向上。
収集品などの要素もあり、探索が前作より楽しくなっています。

主人公は二人から選択式になり、コルヴォは前作通りの使いやすさ。
エミリーは移動能力が敵に視認されますが、敵を引き寄せられるのでまた違ったアプローチが出来るのが面白い。
コルヴォに比べてエミリーの能力は、やや間接的・トリッキー寄りな印象。
また、入手したボーンチャームをバラして組み立てる能力もあり、これのおかげでプレイスタイルに合わせた強力なボーンチャームが自前で用意できます。
とはいえ入手できるボーンチャームはランダムで、不殺プレイでこそ欲しい首絞め高速化が手に入らないのもお約束。
NewGame+なら全ての能力と前周で得たボーンチャームの性質が使えるので、2周目以降はNewGame+がオススメ。

シナリオ。
前作より起伏が無いのが残念。
前作だと途中で思わぬ人物が協力してくれたり、裏切りがあったり、本拠地が制圧されたりとかあったんですけどね。
今作は仲間が少ない上に本拠地が探索しがいがなかったり、シナリオ進行による変化が少なすぎる。
殺害数でカオスの変動がありますが、カオスの高低による演出変化が前作より全然少ないのも残念。
前作のカオス高はどんどん雰囲気悪くなってったんだけどなぁ……
公式の推奨が非殺傷寄りなのは分かるけど、カオス判定あるんだから殺傷による陰鬱な展開も欲しかった。

あと、敵にも味方にも前作のDLCの内容がガッツリ関わってます。
まぁ2の主人公達にとっては全て初見の相手なので、その辺はフォローされてますが、DLCをやってないと背景は掴みづらいかもしれません。

敵、マップ。
新しく登場したブラッドフライは適度にうざく、対処法を知るまでの機鋼兵は実に手強い。
どちらも知ることでちゃんと対処が容易になるのが良い。
人間にもバリエーションがあるが、せいぜい装備くらいで動きに違いがないのが残念。
マップ構成は本当素晴らしい。特に室内の構造が変化する館は、幾らでも潜入方法が検証できそうなほど。
現在と過去を行き来するステージも、ステルスゲームであることを前提としつつ素晴らしい塩梅でステージが練られている。

バグ問題など。
スタックなどは全くありませんでしたが、クラッシュでゲームが終了することが何度もあり。
こまめにクイックセーブ取ってたからいいけど、アップデートで修正されてる気がしない。


全体として、続編としての変化と進化を感じられました。
シナリオの展開やそれに伴う起伏は乏しいですが、ユニークな超常能力を使ったステルスや戦闘のメカニズムは前作通り面白く、よく練られたマップは探索し甲斐がある。
細かいところで要望は出ますが、ウリとなっている部分ではしっかり二重丸が付くので、前作を楽しめたなら安心してオススメできる続編です。