Preyを人間非殺でじっくり探索して40時間ほどでクリア。以下ネタバレ感想。
▼クリックで展開
何年も前に同名タイトルが出てますが、今作はそのリメイクでもリブートでもなく別物。
Preyは月の軌道上に位置するステーション・タロスIを舞台としたスリラーFPS。
主人公が奇妙な状況から目覚めると、そこは死体だけが残る無人の環境。
物体に擬態する小型の生物や、誰かの言葉を反復する人型の生物が敵意を持って襲ってくる。
タロスIで何が起きたのか? 自分は何者で、何をすべきなのか?
言い分の異なる周囲の人々に流されるよう動く内に、自身の過去や経緯の輪郭が明らかになっていく。
敵はティフォンと呼ばれる地球外の存在。
コップや椅子に擬態するミミックの他、高い攻撃力と瞬間移動を持ったファントムなどが登場。
敵を理解するまでは、どの敵もちゃんと強敵してるのがよく出来てる。
マップはエリア式で、エリア切替時に長めのロードが入る。
Dishonoredを作った会社らしく、マップには高低があり、入手スキルや探索次第で色んなルートを見つけられる。
また、この手のFPSとしては珍しくステルスの概念がある為、マップを知ると資源の回収だけでなく敵との戦闘にも有利に働くのが良い。
ストーリーは謎めいて不穏な状況から始まり、誰が正しいのか分からないまま進んでいく。
主人公は記憶がない為、タロスIの壊滅的な事態に自分がどう関わっているのか分からない。
そして、兄・アレックスや、自分を味方するAIの意図も……
最後の最後には物語の舞台装置をひっくり返される。最後に至ってなお、自分が何者なのか考察の捗るエンディングが用意されている。
このゲーム、とにかく序盤の難易度が高い。
主人公の防御力は低く、攻撃的な装備がレンチくらいしかない。探索が進まなければ、数時間経ってもハンドガンすら手にできない(実際私はそうだった)。
頑張って入手したハンドガンやスタンガンは威力が低い&使いづらいし、そもそも弾薬が限られる。
必然、立ち回りに慎重さが求められるようになる。序盤はミミックですら強敵。
ガスボンベなどの破壊オブジェクトを効果的に使えばファントムも倒せるが、2体いたら真面目に序盤は近づかない方がいい。勝てないから。
恐る恐る探索を進めていけば、徐々に資源が増えていく。
本作はゴミでも武器でも資源にリサイクルできるので、容量の限られるインベントリを管理しながらアイテムを集めるのが楽しい。
探索でアイテム、図面、武器を拾う→不要アイテムをリサイクル→資源を使って弾薬やスキルアイテムを製造、が基本的なサイクル。
本作はレベルの概念がない為、自身の強化は主にスキルで行う。
スキルは体力の増加、銃の威力増、武器カスタムの上限開放、探索用など多岐に渡る。
敵解析装備を手に入れれば敵の能力も取得でき、スキル使用の度にMPに相当するポイントを消費するが強力だ。
ただし度が過ぎれば、本来味方であるタレットに敵と認識されてしまう。これもスキルで回避はできる。
序盤を過ぎれば、探索の中で自身の強化や有利に繋がるチップも手に入る。これはスーツのスロットが許す限り装着できるブーストアイテム。
私がホラーものが苦手にしても、Preyは緊張感がありつつ楽しめるゲームだった。
擬態するミミックを警戒して探索中はレンチを構え、ファントムの気配を感じたらすぐさま隠れるか退路を探す。
敵に対して戦闘力で対等になれるのは中盤くらいからだろう。その頃にはまた新しい敵が現れ、その対処に頭を悩ます。
個人的に序盤の難易度の高さは、ゲームの雰囲気・シナリオに合った緊張感を生み出せていたと思う。
救いだったのが、ホラー演出が数える程度だったことだ。
クリアリングしたのにイベント終わったら敵が湧くことはあれど、怖がらせる為だけに敵が急に現れたり、ホラーらしい環境破壊やSE演出などは殆どない。
各所でPreyをスリラーFPSと呼称しているように、基本的には恐怖より緊張感を持って臨む作品だ。
ミミックの出現に怖がるより、ミミックが擬態しているかもと“緊張する”のが制作者の目指したものかもしれない。
気になる点もある。良くも悪くもPreyはArkane作品らしすぎる。
エリアロードやグラフィックなどがそのままDishonoredに置き換えられそうだ。
一応新規IPなので、できれば今までのArkaneとは毛色の違いを見てみたかった。
そういう部分があっても、謎めいたストーリー、映像を写すガラスを使った錯覚・奥行きの表現(これは物語の構図にも通ずる)など面白い部分は多い。
しかし大衆向けの作品ではないだろう。
序盤の難易度の高さや、Dishonoredと似たグラフィックは人目を引くにも、プレイさせ続ける吸引力としても弱い。
噛むには硬いが、噛み続ければなんともいえない味をじわりと感じられるようなゲームだ。
更に人によっては本作のファーストインプレッションを「歯ごたえ」と感じるかもしれない。
私にとっては海外の攻略情報を漁るような歯ごたえだったが(つまり難しく感じた)、昨今でこの序盤の難しさは新鮮で楽しくもあった。
本作はマルチエンディングだが、Dishonoredのようなカルマ概念はないし、ストーリーや演出は大きく変化しない。
また、どのようなエンディングを選んでも、最後に行きつくところは同じようになっている。
Preyは何が現実かをラストに突きつける。タロスIで“起きたこと”。文字通り、それは過去だ。
Prey終わったけど、現行CSで積んでるソフトなくなったので手持無沙汰。
EDF5の発売日が未定なので、Steamで買った大作タイトルに手を付けづらい(100時間のボリュームだと2ヶ月ちょい掛かる見込み)。
今さらだけど、積み過ぎると「次に何を始めるか」で無駄な時間を浪費しますね……
なーんて思ってた。しばらく情報ねぇと思ったらやっぱりだよ!!!
『地球防衛軍5』発売時期変更、2017年発売予定に
夏の予定が全部飛んだぜ……。心おきなく時間掛かるゲームに手を出せるけどさ。
まだ17年折り返しただけなのに、買うつもりのタイトルが来年だったり延期したりでスケジュールがガバガバ。